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あなたの知らないベトナム
日本では、年配の方に席を譲らないことにびっくり
〜 緑園国際交流 第86回 トークサロン 〜

  ベトナムを紹介するアンさん
  ベトナムを紹介するアンさん
 『仏教思想が生活に浸透しており、ほとんどの家に仏壇があり礼拝するが、実際は無宗教者がほとんど。仏教思想の影響と考えられるが、年配の人を尊敬することは常識。日本に来てびっくりしたのは、年配の方に席を譲らないこと。席を譲るとかえって驚きの目で見られる。』と語るのは、民族衣装のアオザイを着たディン ティ ハン アン(Dinh Thi Hanh An)さん。

 緑園都市コミュニティ協会(RCA) 国際交流委員会の第86回トークサロンが、9月25日(土)緑園クラブハウスで開催された。今回のスピーカーはベトナムからの留学生で、現在横浜国大経営学部で勉学中のアンさん。ベトナム語のほか英語、中国語、日本語を話すマルチリンガル。

 ベトナムの地理、気候、人口構成(若年層、多民族、教育制度、宗教、スポーツ、通貨、産業、農産物、交通、歴史、外交(米・仏・中国)、世界遺産、伝統衣装、言語、調味料、食べ物など同国を幅広く紹介していた。
 質問もいろいろ出ました  
質問もいろいろ出ました。  

 南北に1,200Kmと長い国土のため、北部、中部、南部で気候など大きな差がある。人口は、ベトナム戦争の影響から、20〜24歳が極端に少ないが、全般的には若年層が多い。民族的にはキン族が9割を占めるが、長い歴史の中で北部から南部に国土を広げてきたことで、54の民族を抱えている。義務教育は小学校まで。年齢、地域により差があるが95%は教育を受けている。農産物では米の輸出がタイに次ぎ2位、コーヒーの生産はブラジルに次ぎ2位。コーヒーは皆小さいころから飲んでいる。交通面ではバイクが圧倒的。ただしシクロは観光用となってきた。

 歴史的には長く中国の植民地であったことから、言語、文化、習慣面でその影響は色濃く残っている。フランスの植民地、ベトナム戦争などを経てきたが、現在の外交面では、アメリカとの関係は良好で、輸出面ではアメリカが第1位。フランスとも通商面で良好。隣国の中国とは、通商関係は強くなっているが、品質問題が多い。特に領土紛争、人質問題など、ここのところの日本の問題と同じように、緊張関係が続いている。

 文化遺産面では、歴史遺産、自然遺産、雅楽等の無形遺産を紹介していた。アオザイなどの伝統衣装、帽子などについては、実際にアンさんのお母さんが縫製したものなどを展示し、自らも身に着け披露していた。言語面では、現在はアルファベットを使っていること、6声のイントネーションのため、日本人にとっては歌のように聞こえると言われた、とのこと。時間面では、意識が薄く、日本のような厳守、時間通りということはない。

 将来の進路はとの質問に対し、ベトナムに帰国し日本語を生かした仕事をしながら、親孝行をしたいとの答えに、会場から大きな拍手。日本の学生については、確かに勉強しない学生がいて、期後半になって教室で教授から、君は見たことがないね、と言われた学生もいた、と語っていた。女性から見た結婚相手としては、公務員は給与が低いので人気はなく、警察、医者、外資系企業勤務者に人気が高いとのこと。

 ベトナム紹介の動画『美しい僕らのベトナム』を観賞し、終了となった。