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パコダと僧侶と小乗仏教の国

ミュンマーの伝統的な儀式と祭り
緑園国際交流 第77回 トークサロン

Swe Zin Ooさん、Thidaさん、
と横浜国大の辻岡政男先生 
 緑園都市コミュニティ協会(RCA)国際交流委員会が主催する第77回トークサロンが、6月28日()午後、緑園クラブハウスで開催された。今回のゲストスピーカーは、ミヤンマー連邦、第二の都市マンダレーにあるマンダレー大学のTutor(個人指導教師)で、現在、国費留学生として横浜国立大学に在学中のスイズインウーさんとメイティダーアンさんの両名。テーマは、“Shinbyu(シンビュ)”、“Thingyan(シンジャン)”、ミヤンマーの伝統的な仏門に帰依するための儀式と新年を迎えるための行事水掛け祭り。

【シンビュの儀式
シンビュの儀式で

 まず、スイズインウーさんの方から、ミヤンマーの男子なら必ず経験すると言われているシンビュの儀式、その儀式の歴史背景や時期・日数及び儀式の被対象年齢等について紹介があった。シンビュとは、少年期(約7歳から15歳頃)において、母親の元を離れ1週間程度、僧院で見習い僧として精神修養を積む前に行われる送出しのための儀式。

 男子を持つ家庭にとっては、一家の大イベントで、そのため多くの資産をも賭けて親戚や友人らを招待し、ご馳走を振舞ったり、儀式を受ける少年を馬に乗せ行列を為して街を歩いたり、大変華やかで、且つ、盛大な行事である。ただ、その儀式も裕福な家庭の子どものみが豪華に祝えるのではなく、身寄りの無い子貧しい家庭の子でも等しくシンビュの儀式に加わることが出来るように地域のコミュニティが共同で祝うこともある。

 儀式のクライマックスでは、少年は僧侶長により剃髪され、オレンジ色の法衣を身にまとい、イベント時の贅沢さや華やかさとは裏腹に、食べ物を得るための手段として街に托鉢に出ることになるそうだ。ミヤンマーの人々たちの僧侶に対する敬意の念と仏教国の真髄を垣間見た気がした。

 男子には神秘的で荘厳な儀式がある一方、女子には、宗教的な色合いは無いものの、親が幼い娘に華やか衣装や耳飾りで着飾るために耳に穴を開ける儀式もあるそうだ。

シンジャの祭りでの水かけ

【シンジャの祭り】
 次に、メイティダーアンさんから、シンジャン祭り、所謂、ミヤンマーの水掛け祭りについて紹介があった。水懸け祭りは、新年(ミヤンマーでは、4月中旬(2008年は4月17日)を迎える前日(大晦日、イヴ)を含め前3日間に実施される祭り。起源はバガン王朝時代の11世紀まで遡ると言われている。アンさんは祭りの3つの目的を、@旧年中の不浄を洗い流し、清い体と精神で新年を迎えるため。Aミヤンマーの4月はとても暑いので涼しくなるため。B(童心に帰って)単純に楽しむため。飾り気も無く、明快に話していた。水掛けに使う水は清潔な水や香料入りの水が使用され、王宮では草の茎につけて優雅に掛け合っていたそうである。都会部では期間中仮設舞台等を設け、大々的に祭りを楽しんでいる様子。昼間は水掛けに興じ、夜は一変して、音楽や踊りがステージで繰広げられるそうだ。人々は3日間の喧騒的なシンジャン祭りが終わり、新年には清い心身で寺院に行き、お釈迦様を香りの良い水で洗うことが慣わしだそうだ。元旦に良いことをすると1年間続くと信じられているそうである。日本人が元旦に神社に初詣に行く気持ちと若干似通ったところを感じた。

 スイズインウーさんアンさん共に、トーク中や質疑応答中でも常に満面に笑みを湛え、とても印象的であった。また、スイズインウーさんは、ロンジー(民族衣装、巻きスカート風)を纏っていてミヤンマーの雰囲気を醸していた。また、参加者の中には75年間ヤンゴン在住の経験のあるご婦人も居り、モヒンガー(伝統的な麺料理の一種)の質問には、両名とも充分に親しみを覚えた表情で答えていた。

 最後にサイクロン被害にあった被災地への義援金についてカンパを呼びかけたところ、多数の参加者の賛同が得られ、最後に両名に義援金を託した。

 早速、両名からのお礼のメールが届いたので紹介する。

 Thank you very much for this afternoon. 
We were very glad to be there and to receive a warm welcome. 
 We already sent the donation from your association to "Thidagu Sayadaw"  (a famous and an honourable monk from Myanmar) who is here at the moment for receiving the donation for the Myanmar cyclone victims.) 
いろいろお世話になりました。ありがとうございました。
 With regards,  Swe Zin Oo (Myanamr) 
 Yokohama National University. 
 Please give my gratitude to all of the members of  Ryokuen-toshi Community Association.
 One more thing, this evening, I transfered your donation for Myanmar's Nergis victums to one foundation.
 I will refer you the receipt when I got it.
Thanks a lot. 
 with best regards, Thida (Myanmar)   Yokohama National University