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インドの教育制度
緑園国際交流 第83回 トークサロン

          アトレアさん
Atreyaさん
 緑園都市コミュニティ協会 (RCA) 国際交流委員会が主催する第83回 トークサロンが1月23日(土)午後、緑園クラブハウスで開催された。今回のゲストはインドでの日本語教師で、昨年8月神奈川県招聘の研修生として来日、今年3月まで県立高等学校で日本語教授法を勉強する傍ら、日本語も勉強中の Ellupai Sridhar Atreyaさん。母語はタミル語だが、学校ではすべて英語であったとのこと。今日の講演、質疑とも、すべて日本語で通していた。

 インドは州によって言語が異なるため、現在は共通語としては、ヒンドゥー語と英語。インド政府が発行する紙幣には17の言語が印刷されている、として紙幣を参加者に観覧して見せていた。小中高の年数は、日本の633制に対し、インドでは534制。1クラス80人から100人。現地語で授業を行う学校と英語で行う学校があるが、英語の学校は授業料が高いため、貧困層は現地語の学校に。大学はすべて英語となることから、現地語の学校から大学入学は厳しいことになる。
インドの話を興味深く聞く参加者
インドの話を興味深く聞く参加者


 宗教はヒンドゥー教、イスラム教、キリスト教の順で、ヒンドゥー教徒が最も多い。学校もそれぞれの宗教に基づくものが多く、宗教により祝日も異なる。

 ヒンドゥー教にまつわる身分制度であるカースト制度は、イギリスから独立後、廃止されているが、その影響は今でも残っており、実際にはインド社会に、国民の意識に深く根付いており、複雑な身分制社会を形成している。 リザベーションという制度でカースト制度の低階層に対し、学校入学では優遇されている。この制度は、入学試験や採用試験を経て優先枠が実現できるように「留保=リザーブ」されるシステムで、その結果、これの対象外の層は逆に入学、就職が厳しくなってきており、英語圏特にアメリカに移ってしまう人たちが多くなっている。
 注)1955年に制定された「反不可触民制法(76年に「市民権利保護法」に改称)」に基づき、公的機関への比例的参加の確保を目的とするもの

 アトレアさんは、来日5か月、一昨年短期間来日しただけ。それにしては日本語が上手であることから、その理由を聞かれると、出身地のタミール語は日本語と非常に似ている。文法的には90%以上同じで、「食べる?」「食べた」など、主語、目的語がなくても会話は成り立つ。そういったことから、日本語の勉強は楽だ、とのこと。また参加者の中からインドの知人が来日した時、すぐカルチャ・ショックで帰国したが、なかったかの質問には、自分はなかった。それは文化を理解(をしようと)しないからだ。それに向け自分は頑張っている、と語っていた。
 また、インドではよく “No problem” と言うが、との質問に、その意味は「何とかなる、する。安心して。」と言ったところだ、と話していた。