トップページ  |このサロンのご案内ページ  |いままでの活動内容と歴史 |

緑園国際交流 第118回 トークサロン
エジプトって、どんな国
横浜国大留学生 マリアム.アハマド.イスマイールさん

   

 緑園都市コミュニティ協会(RCA)国際交流委員会が5月28日(土)に主催した第118回トークサロン。今回のスピーカーは、横浜国立大学(教育人間科学部)の留学生マリアム・アハマド・イスマイールさん。テーマは「エジプトって、どんな国?」。

 彼女は、交換留学生としてエジプトカイロ大学(3年生で日本語学科を専攻)から来日。横浜国大の日本語スピーチコンテストに入賞。今日は上手な日本語でのスピーチに感心した。


 エジプトと言えば日本人はピラミッド、砂漠、らくだのイメージがあるのでしょうけれど、と前置きし、エジプトの今日についてビデオを交え紹介してくれた。

   

 エジプトは世界一の長さ6650kmを誇るナイル川が流れ、紅海、地中海に接する。人口は5月の国連統計で
9,315万人
であるが、半年で約200万人が出生、平均年齢が24才という若い人が多い国という。気候は乾燥性で9-11月は過ごしやすいが、5月に49度という世界で一番暑い日を記録した。

 首都はカイロであるがアラビア語ではイルカヘラと言い、「戦勝」や「圧政者」という意味がある。千光
搭のある町ともいわれミナレット(搭)が林立する。サッカーが盛んで、カイロ国際スタジアムを擁し、一方スカッシュの世界チャンピオンを輩出。交通はバスやタクシーのほか地下鉄もある。

   

 アレキサンドリアは地中海に面し、エジプト最大の図書館やカーイト・ベイ城(現在博物館)がある。ギザにはクフ王など3大ピラミッド、スフィンクスがあり観光の中心都市。スエズは1869年開通の運河が地中海と紅海をつなぐ。ルクソールは世界最大の博物館があり、エジプトで一番遺産の多い都市。アスワンは地中海川でルクソールから船でくる観光客が多い。

 ファイユムは滝のある街でサンドボードが楽しめる。ヘルガダは紅海に接し種々の魚がおり、マリンスポーツが盛ん。シャルム・エル・シェイクはシナイ半島南部の町で国際リゾート地。シナイ半島は紅海と地中海の間の三角形の半島でダバブという島やビーチがある。

 エジプトの言語はアラビア語でアルファベット28文字からなり、右から読み書きする。近隣の中東諸国とはアラビア語が共通言語として通じる。エジプトの宗教はイスラム教90%、キリスト教9%、その他1%である。

 イスラム教ではラマダン期間は日の出から日没まで断食し、断食明けのイード・アル・フィトルという祭りを盛大に祝い、家族は新しい服を買ったり、お年玉をもらう。
 イスラム教は多くの戒律があり、決して人を殺してはいけないとしている。IS国のような身勝手で過激な組織はイスラム教に従ったものでなく、個人の身勝手な行動である。

   

 エジプトの貿易は石油、ガス、アルミ、鉄鋼などを輸出、原材料などを輸入。通貨はポンド、ピアストロであるが、歴代大統領が変わるごとに価値が下落し、1922年ごろ1ポンド4ドルを最高に、20111ドル5.5ポンドが現在1ドル12ポンドまで下落している。 GDP3700億ドルである。

 民族行事として51日の労働祭があり、また宗教とは関係ないがイースターでは家族団らんや公園で遊ぶ。モハメッド預言者の生誕(571)祭りにはお菓子を食べ、祈り、コーランを読む。

 スピーチの後次のような多くの質問に応対した。
 来日のきっかけは、両親の勧めもあり日本語を学び興味を持ったから。来日前はアニメや着物をイメージしたが、実際の日本は普通の国だが、規律や電車、道路、自由度が違うと感じた。
 コーランはアラビア語で書かれ多言語への翻訳は少ないので、アラビア語圏以外の人は理解するのは相当時間がかかるが、エジプト人にとっては子供のころからあたり前のこととして大要は理解している。

   


 エジプトの男性は4人まで妻を持つことが出来るが、最初の妻の了解がいる。また経済的にも大変なので一夫多妻の人は少ない。若い人の失業率も高く海外で働いている人が多い。兄さんもドバイで働いている。
 半年で人口が200万人増えたのは若年層が多く、出生のためであり、難民が増えたわけではない。
 消費税は10%である。トンボはいると思う。
 旅行シーズンは6月から9月ぐらいまでがいい。 
 結婚は恋愛もあるが、多くは両親や知人紹介などの見合いが多い。またイスラム教信者同士であればいいが、異教徒とは結婚できない

 エジプト人は日本に対してアニメだけでなく技術、ロボット、経済などに関しいいイメージを持っている人が多い。
 日本に来てカルチャーショックで驚いたことは、裸で皆と一緒に入浴することでした。

 参加者からはスピーチ賞賛とともに、ぜひ日本への留学生として今後も頑張ってほしいという激励の言葉と拍手があり、最後に記念撮影をしてトークサロンの幕を閉じた。