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緑園地区地域福祉保健計画研修会
高齢者のアンチエイジング
医療法人順神会 板東邦秋氏の講演

板東院長の紹介と挨拶する緑園地区社協会長の後藤氏(左)  
 板東院長の紹介と挨拶する
緑園地区社協会長の後藤氏(左)
 
 日本人の平均寿命は世界でもトップレベルだが、健康寿命との差は10歳ほどある。この差の期間、要支援、要介護となるということ。健康寿命を阻害する3大要因は、@生活習慣病(メタボリック・シンドローム)、A運動器症候群(ロコモティブ・シンドローム)とB認知症だ、と語るのは、医療法人順神会ばんどうクリニック院長の板東邦秋氏。

 緑園地区地域福祉保健計画研修会が、7月28日(日)緑園地域交流センター会議室で開かれた。テーマは「高齢者のアンチエイジング」。講師の板東氏は、上記3大要因について解説し、アンチエイジング(健康長寿)の2大要素は、@活性酸素を減らす(ビタミン・ポリフェノール・水素水摂取)、Aカロリー制限(腹7分目、抗酸化物質のレスベラトロールの摂取)だとした。

 そして、氏が自院で紹介している「秘訣」として、「ボケ防止」については「新聞朗読・一行日記・散歩・趣味・大笑い」、「長生き」については「禁煙・節酒・節ごはん、野菜・果物・青魚、水分充分・塩分控えめ(1日7g)、笑い・生きがい・ウォーキング、を挙げていた。

 高血圧、糖尿病、高脂血症、肥満などの生活習慣病の要因は、食生活、運動不足、アルコール、タバコ、休養、ストレスなどで、動脈硬化が進行し、心臓病や脳卒中などを齎す。多くは自覚症状を伴わないことから、沈黙の殺し屋といえる。

  健康寿命を阻害する3大要因を解説する板東院長
  健康寿命を阻害する3大要因を解説する板東院長
 運動器症候群(ロコモ)は、筋肉、骨、関節、軟骨、椎間板といった運動器のいずれか、もしくは複数に障害が起き、歩行や日常生活に障害をきたす症状で、変形性関節症(膝、腰)や骨粗しょう症のある人は全国で4700万人と予測されており、70歳以上の人の95%以上が当てはまり、国民病に値している。発症の要因は、@運動習慣のない生活、Aやせ過ぎと肥満、B活動量の低下、Cスポーツのやり過ぎや事故によるけが、などを挙げた。食生活の改善と簡単な運動「ロコトレ」を推奨していた。

 認知症については、65歳の人の15%に上り、かつ予備軍が約400万人おり、そのうち毎年10%の人が認知症となる、と厚労省では推計しており、急速な拡大がに予測されている。治るものや一時的症状の場合があるが、現在治す薬も悪化を止める薬もなく、進行を遅らせる薬しかない。脳への認知症出現は、軽度認知機能障害(予備軍)の相当以前から始まっており、また認知症を疑う兆候は、いろいろある。さらに検査方法も進歩してきており、早期診断、早期治療が重要だ。
 予防としては、認知症発症リスク(運動不足、高血圧症、高脂血症、肥満、肉に偏った食事など)を少なくする暮らしをすること。また、楽しい思いや心地よいコミュニケーションによって症状軽減や進行遅延が期待できるので、「生きがいを持つこと」が大事だ。