緑園は住宅地として開発され、入居開始から30年を迎え、少子高齢化が進み、人口も減少期に入っている。これからの緑園をどうするか、それに向け何をするべきかを考えようと、「緑園の未来を考える」をテーマに開かれた。 第1部は「緑園地域からの発表」として、①緑園東・西両小学校の代表から、各学年各クラスが創った「未来標語」の発表、②今年で7年目になる全学年対象の作文コンクールで今年度特別賞を獲得した小学生本人からの作品発表、③フェリス女学院大学生からの提言「相鉄いずみ野線の未来」、④緑園活性化委員会委員長長谷川幹夫氏から「緑園の明日に向けての取組み」が発表された。
子どもたちからは、緑園の思い、緑、花の大切さ、年代を超えた繋がりを、といったことが語られていた。 また、フェリス女学院学生からは、いずみ野線沿線の課題として、①若年人口の流出、コミュニティ活動担い手の高齢化などが挙げられ、学生・フェリス女学院大学だけでなく、住民・行政(横浜市役所)・地元企業(相鉄グループ)といった多様性ある連携が必要だとしていた。 長谷川氏は、この「まち」を ①教育・文化・福祉のまちに、②若い人たちに戻ってきたくなるようなまちに、③元気で生き抜ける健康で活躍できる人づくり、担い手確保、④美しいまちの維持・管理、といった住民の想いを基に、「明日に向けての取り組み」として住民同士の横の繋がり、コミュニティ向上が必要と考えている、としていた。
第2部は、関係組織等からの発表として、①泉区長 額田樹子市から「泉区、緑園の将来について」を、②相鉄ホールディング(株)経営企画室部長 長島弘和氏から「いずみ野線開発の歴史と都心への相互直通運転」を、③上飯田連合自治会長 馬場勝巳氏から「他地域より街の活性化活動自連紹介」を、④横浜国大大学院都市イノベーション研究所准教授 野原卓氏から「少子高齢化社会に息吹を吹き込む街づくり」を、それぞれ発表された。 その後、それぞれの発表者から、交互に質問、意見が交わされ、また会場からの質問などに対する意見交換がなされた。 泉区庁の額田氏は、緑園の現状を人口構成のデータを基に、定着率は良好。子育て世代が減少している一方、高齢化が他地域と比べ進んでいるわけではないが、高齢年齢直前の人口がピークを迎えることから、今後一挙に進行する現実を紹介した。 相鉄の長島氏は、高度経済成長に伴い相鉄沿線の住宅地開発、兼業部門の強化を図ってきた歴史の紹介。沿線環境の変化と職場への利便性、子育てや生活しやすい環境、老後も継続して居住しやすい環境などを検討し、その課題解決策として「選ばれる沿線の創造」として、①都心相互直通運転、時間短縮、②沿線、駅前のリノベーション、③環境未来都市への取り組み、等を進めている。
野原氏は、地域を発展・継続させるには、NEW-NEWTOWNだとした。それは、住宅だけの街から、土日も楽しめる、遊びがある、働く場所がある、多世代が暮らせる、楽しい街だ。また、地域資源をビジネスにする、地域が働き口になる、リタイア後も生き甲斐、儲けがある、地域財産を価値として活かす、都心直通のメリットを取り込む、といった豊かな価値をつくるまちなど「街づくりの6つの視点」について紹介。 意見交換では、話題として、他地域や万騎が原駅中心の動き、駅中心地と離れた地区との関係、泉区には7つの鉄道駅があるが、今やもっと細かい交通についての対策、緑園西小学校跡地の扱いなどが出ていた。 会場外のホールでは、フェリス女学院や相鉄からのパネル展示があり、閉会後も大勢の人だかりとなっていた。 |
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