このシンポジウムは、緑園が宅地として開発されてから20年。これを機に、緑園をさらに住み良い、美しい街にするため、緑園のあるべき姿、住民が抱えている問題、向かうべき方向などを住民が自ら考えるため、緑園連合自治会と緑園都市コミュニティ協会(RCA)が共催で進めている20周年記念事業の一環。
冒頭、佐藤教授から、緑園地区の街づくりの経緯、RCAの成り立ち、国土交通省の「緑の都市賞」など数々の受賞を受けるなどこの街の発展状況を説明。そして今後の課題としては、この街が当初設定したガイドラインである「緑の街づくり」の原点に返って見直し、徹底し、守り抜いていってほしい。そのことが、最先端のコミュニティとなり、世界に誇れるモデル地区になる、と激励していた。 活動グループ発表では、まず緑園東の街シニアクラブ「東花会」の鈴木清文氏が「街の美化活動を進めている高齢者グループ」をテーマに、地域への奉仕活動としての街路の美化活動やその他活動の紹介とそれを通して感じる充実感・喜びを、またメンバーの高齢化もあり、仲間集めとそのための「たまり場」がほしいと語っていた。さらに、ゴミのポイ捨てもあり「捨てない、見つけたら拾う」といった意識を持ってもらいたいと語っていた。
緑園地区防犯パトロール協議会の倉田怜氏が、「青色回転灯パトロールによる防犯活動グループ」をテーマに、当地域における防犯活動の紹介とその中で「青パト」を中心に説明。「青パト」実現までの苦労、発足後1年半になるが、やはりここも高齢化と陣容不足について語っていた。 念願として、地区内の防犯が自治会の活動による点と「青パト」巡回の線に留まっているため、それを面に、それができずとも網には拡大していきたいと語っていた。 モンキッズの峰岸紀子さんは、「4歳児までの子育て支援サークル」をテーマに、子育て奮闘中の母親による「子育てを楽しもう!」活動グループであるモンキッズの紹介。また福祉保健センターの援助や地区内施設利用面の支援を受けながら活動している状況。さらに、最近は保育園からも応援をもらえるようになっていることなどを報告していた。子供が幼い頃から社会と関わっていく、地域と連携した子育てを希望していること、さらに子供を遊ばせながら、おしゃべりで情報交換・コミュニケーションができる「たまり場」を強く望んでいた。これらに対し、活動(集まる)回数を多くし、コミュニケーションを蜜にすることや、地域との関わりが地域教育活動に発展していくことに繋がる、との意見が出されていた。 また、会場に参加していた、緑園なえば保育園の青木マリ子園長は、この地区に気楽に利用できる場が、なぜなかったのか。現在のママは、やってもらうことに慣れてきた。そういった拠点で自ら企画して活動することで、子供だけでなくママたちも育っていく。ぜひこの20周年を記念して、そういった場を作ってもらいたい、と語っていた。 お忍びで来場していた早川泉区長は、「人間関係が希薄となっている中で、緑園は着実にそれを築き挙げていることを実感し、心強く思った。グローバルに考え、それを地域の活動で知恵を出し合い、協働してより良い新しい街にしてほしい。それが泉区内の他地区に伝播し、すばらしい区になる。」と語っていた。 最後に佐藤教授は、今日の3グループは活動内容は異なるが、皆同じ一つの「街づくり」としてつなげっている。美化は防犯に、協力が安全安心に、すくすく安心して育ち、住みやすい、美しい街にというように。今回の3グループ以外にも多くの活動グループがあるので、ぜひこういった機会をつくり、ネットワーク化し、もろもろの活動がメッシュの状態に一体化することで、すばらしい街になる、と締めくくっていた。
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今回のシンポジウムには、YCV(横浜ケーブルビジョン)も取材に訪れており、番組「地域みっちゃく」で11月19日(月)からの1週間、放映されることになっている。 |