パソネット泉RCAトピックス |新橋地域ケアプラザ

命の授業
終末期医療 「死」を迎えるために
家族とともに、満足ゆく終末期を考える

横浜保土谷中央病院 医療福祉相談室の庄子忠雄先生  
横浜保土谷中央病院 医療福祉相談室の庄子忠夫先生  
 "皆さん、「ぴんぴんころり」を望まれているでしょうが、そうなるのは1割に過ぎない。ほとんどの人は、周りの関係者に面倒をかけて「死」を迎えることになる。それはお互いさま。胃に管で栄養を送る「胃ろう」の本来の目的は、自分の口で食事が取れなくなった患者が回復するまでの栄養補給のはず。「胃ろう」を含めた人工栄養や人工呼吸器などの装着は、これによって、より充実した人生になるのだろうかを慎重に検討すべきだ。”

 この講座は、新橋地域ケアプラザが2月17日(水)当ケアプラザ多目的ホールで「支え合い・繋がりあいの地域を一緒に作りませんか」として行っている「命の授業」の一環として開いたもの。テーマは、‟終末期医療 『死』を迎えるために~家族とともに、満足ゆく終末期を考える~”。講師は、横浜保土ヶ谷中央病院医療福祉相談室の庄子忠雄先生。

 冒頭、意思確認不能の3名の高齢者の終末期対応に悩む家族を中心とした関係者の事例を紹介。次に、少子高齢化の急速な進行、死亡者数の増加、病院での死亡者の増加、それに伴うベッド数不足からの入院日数の短縮化、一方、在宅医療を望む人が60%、といった状況から、地域全体で支えていくという「地域包括ケア」の実現に向けた第1歩の時代となっている、としていた。

 本人にも、家族にも、周囲の人にとっても「いい看取り」となる最終期とは、どのようなものか。多くの人は、死の迎え方について深く話し合っていない。本人の意思を尊重した暮らしや、最後の時をどこで、どのように迎えたいのかを、本人から家族・地域・医療・福祉専門職が、特に家族は聞き取っておくことが大切になってきている。病院は治療するところ。今や「生活医療」の時代になっている。老衰か病気かの仕分けは医師の大切な役割だ。

 医療・看護、宗教界、マスコミなどの意見、考え方などを紹介し、質疑に入った。参加者から家族の事例紹介、本人意思確認のための法的に認められる書式・フォームについてなどあり、関心の高さが示されていた。