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この講座は、新橋地域ケアプラザが「介護者の集い」として行っている平成28年度の第3弾の講座で、6月28日(火)当ケアプラザ・ホールで開かれた。テーマは、‟変わる常識”「認知症介護」。講師は、(株)NGU 代表取締役で介護福祉士の山出貴宏氏。 認知症にとって一番大切なことは、早期発見、早期対応で適切なサポートを受けること。認知症とは「いったん発育した脳が、何らかの影響で、それまで獲得された知的能力が低下してしまう状態。特にアルツハイマー型では、新たに記憶ができなくなってしまう。」そのため日常生活、社会生活を送るのが困難になってしまう。 認知症に人は75歳では12人に一人だが、85歳では3人に一人の状態。通常の人の脳は、1~1.5㎏に対し、認知症の人の脳は900g以下。 認知機能障害には、記憶障害、見当識障害などある。記憶障害には①体験したことそのもの(エピソード記憶)を、忘れてしまうもので、「安心」や「楽しい」が潜在すると記憶にとどまることがある。②身体で覚えたこと(手続き記憶)を忘れてしまうもので、「潜在能力」を適切に引き出し、使ってもらうことが大事。 見当識障害は、日時、場所、人の理解や方向感覚などが失われ、自分の置かれた状況の判断がしにくくなる。 認知症のある人の行動は、ある時は暴言、暴力、不潔行動、徘徊、被害妄想帰宅願望などで表れるが、その場の状況を自分なりに解決しようとしているだけ。その行動・心理症状の進行を遅らせるには、①不安、不快、ストレスを減らす環境、人との関わり、②薬の2点。すなわち、認知症の方の「心」「気持ち」を理解すること。出来ることは安心につながり、出来ないことは不安・イライラにつながることを「じゃんけんゲーム」で示す。出来ない、出来にくいことなら、出来る環境を、分からない、分かりにくいことなら、わかる環境を、創るも奪うもサポート側の対応次第だ。 |