2014年10月9日号

緑園2丁目
蚊の駆除に地域一丸
月1清掃で錠剤投入

 緑園2丁目自治会(長谷川幹夫会長=人物風土記で紹介)では、住民からの要望を受け、蚊の駆除に向けた取り組みを続けている。地域一丸で、蚊を根本から断つことを目的とした取り組みは今年で10年目になる。これまでの歩みを聞いた。
  錠剤(右下)を雨水ますに入れる自治会員
   錠剤(右下)を雨水ますに入れる自治会員

 緑園2丁目自治会が住民から「蚊の発生が多い」と相談を受けたのは2005年のこと。当時の会長は、同じ自治会で日本環境衛生センターに所属していた緒方一喜さんとともに区役所へ協力を依頼。「蚊討伐大作戦計画」と謳った活動がスタートした。当初は、区から薬剤散布の噴霧器を借りて成虫駆除に当たっていたが、翌年からは昆虫の羽化阻害効果のあるスミラブ発砲錠剤を使用。蚊の幼虫にあたるボウフラの発生を抑え、成虫になる前の駆除を始めた。

 蚊はプランターや古タイヤなど、水の溜まった場所に卵を産む傾向があると言い「その中でも、雨水が流れ込む雨水ますは特に注意が必要」と同自治会環境部長の佐藤昭光さんは話す。 道端などに設置されている雨水ますは町内だけで700超。それら一つひとつに錠剤を投入していく。蚊が活発に動き出す5月から停滞する9月までの5カ月間、自治会役員ら約60人が手分けして月に1度作業している。家庭に設置された雨水ますへは、希望する住民が直接投入している。

デング熱警戒し早期対応計画も

 今年は蚊が媒介する感染症「デング熱」が約70年ぶりに国内で確認された。緑園連合自治会長も務める長谷川さんは「成虫の駆除には相当な散布が必要だし、感染を防ぐのは難しい。これからは早めの対応が重要になってくる。区内で感染者が出た場合のシミュレーションなど、行政と協力した取り組みも必要かもしれない」と危機感を強めており、来年度は4月から取り掛かる計画もあるという。