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不思議いっぱいアラビアの国 イエメン
砂漠地帯から多雨地区まで、多様な国
〜 緑園国際交流 第97回 トークサロン 〜

Mr.Rafat Taha  
 Mr.Rafat Taha  
 緑園都市コミュニティ協会(RCA) 国際交流委員会が主催するトークサロンが、9月22日(土)緑園クラブハウスで開かれた。今回のスピーカーはイエメンからの留学生 レファト タハ さん。昨年来日、東京外国語大学で日本語を勉強し、今年横浜国立大学経営学部に入学した1年生。国で2年間と来日以来の日本語の勉強期間しかないのに、イエメンの紹介と質疑応答に、通訳なしに、すべて日本語で終始、驚くべき言語能力の持ち主。

 このトークサロンは、今回が97回目。イエメンは初登ということと、“中東の国” 程度しか知らない人が多いこともあるのか、いつもの常連以外の参加者が多い。記者もアラブの春の波及とアル・カーイダの活動の影響か、首都サヌア市内首相府近くの路上で国防相暗殺未遂テロが発生、警護員など8人が死亡という事件(9月11日)を報道で知り、昨日外務省が「滞在されている方は、直ちに国外等の安全な地域へ退避するよう、強く勧告します。また、同国への渡航は、目的の如何を問わず延期するよう、強く勧告します。」と同省のホームページで警告していることを知った程度。参加者の中には、インターネットでイエメンの紹介ページをコピーして持ってきている人や青年海外協力隊としてイエメンに日本語教師として赴任していたという女性もいた。日本人は、一般に質問もないといわれるが、“不思議の国” ということもあり、スピーチ後の質問は活発にだされ、久しぶりにサロンらしさの会であった。

 今日のテーマは「不思議いっぱいアラブの国 イエメン」。国の基本情報としてアラビア半島の一角でサウジアラビアの南、南はアラビア海に面しているという国の位置。民族はアラブ民、人口2480万人など、から始まり、歴史(紀元前14世紀の古代から近代)、気候(東・西北・西南地区別に住宅・建造物の違いや乾燥地帯の土による高層建造物にはびっくり。砂漠の摩天楼といわれている。地震のないのが幸せ。)、文化、生活、政治、経済、教育、観光に至るまで紹介していた。多民族ということもあり、民族ごとに言葉が違い、標準語はあるが、一般にはそれは使われない、など笑いを誘っていた。
  「砂漠の摩天楼」といわれる高層建築物
   「砂漠の摩天楼」といわれる高層建築物


 日本人との違いについて、仕事をするにあたって、日本人はできることを頑張り、成功すると「よく頑張った。皆で助け合ってできた」、失敗すると「悪かったところを探し、やり直す」。一方、イエメン人は「出来ることを頑張り、あとは神に任せる」。成功すると「よかったと思い、もっとやる」が、失敗すると「天からのしるし」と考える、としていた。
 
 政治については、共和国で国民が大統領を選挙、誰でも選挙権がある。国民の99.99%がイスラム教だが、それにより選出される大統領ではないなど、中東アラブの国では特異といえるのでは。経済は石油と天然ガスに90%依存、残りは農業と漁業。歴史も古く、変化に富んだ気候風土を持つため、地域別にも観光資源はある。今は安全面から行けないが、一度は行ってみたい国だ。