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第111回 緑園国際交流トークサロン
魅惑のポーランド
横国大留学生 マルタ・ヤヌセクさん
写真(スライド)は、こちらから
マルタ・ヤヌセクさん  
 マルタ・ヤヌセクさん  
  緑園都市コミュニティ協会(RCA)国際交流委員会が6月27日(土)に主催した第111回トークサロン、今回のスピーカーは、横浜国立大学の留学生マルタ・ヤヌセクさん。テーマは「魅惑のポーランド」。マルタさんの出身はポーランドだが、英国カルディフ大学在学中。この大学に入ったお蔭で日本留学ができて良かった。この8月には英国に帰国するが、ぜひ機会があれば、また日本に来たいと語っていた。

 ポーランドについては、このトークサロンで今回は2回目。ポーランドに行ったことがある人は、と聞かれたところ場内から数名の手が挙がった。その中に、普段見られない顔も何人もいたのは、やはり今回はポーランド、ということでだろう。

 ポーランドの歴史として、ナチス・ドイツ時代の悲惨さは知ってはいたが、もっと古くからの歴史から、こんなに波乱に満ちた時代を経てきたことを知らされ、自分の儚さ、知識不足を認識させられたトークサロンであった。

 マルタさんの話はすべて英語で、当委員会の根岸さんが通訳を行った。日本語は難しいので、と言っていたが、ポーランド語も、西欧でも難しいと言われているそうだ。「こんにちは」「元気ですか」などを、ポーランド語で聞かせてくれた。しかし、それを復唱することは、確かになかなかできない。

 ポーランドは、西にドイツ、南にチェコとスロバキア、東にウクライナ、ベラルーシ、北にバルト海、リトアニアとロシアの飛地カリーニングラードに接している中欧の国。面積は日本の83%程度、人口38百万人と日本の30%程度。

 分割統治されたり、国の消滅も経験、第1次、2次世界大戦での悲惨な状況、ソ連邦傘下に入った時代から復活し、民主国家となった。経済状況、教育制度、宗教・人種構成・同性結婚反対・国民祝日・クリスマスやイースターなどの行事・民族衣装などの社会状況、ポーランド語、四季の様子、気候、景観・観光、料理、有名人、首都ワルシャワなど主要都市、マルタさんの故郷の街の様子と紹介が続く。持ち時間がオーバー気味になるほど詳細に紹介が続き、事務局も気をもむほど。

 ポーランが現在抱えている問題としては、経済成長・失業率の悪さ・所得低迷(平均月収83千円)からの移民増や贈収賄・腐敗問題、隣接するウクライナ問題などを上げていた。
 


 日本との文化の違いとして、日本の丁寧さ(お辞儀、敬語、贈り物など)が挙げられた。逆に、日本ではアイコンタクトをしない、むしろ避ける。これは西欧では嫌われることだ。日本では女性の社会進出が低い。電車の中で大声では話さないなど本当に静かだ。ごみ箱がないのに、ごみが落ちていない。ポーランドなどでは、ごみ箱があちこちに置いてあるが、道路にゴミが多い。日本は安全で、破壊行為がない。持ち物を電車の中で下に置いても安全だ。テクノロジーの面では、ウォッシュレットが代表例で、自分も最初はどう使ったらいいのか迷った、などと語った。

 歴史的には、966年にキリスト教国となり国歌として認知され、王朝が続く。1569年にポーランド・リトアニア共和国となり続いたが、1772年にロシア・プロシャ・オーストリアの3国に領土を奪われ、3分割され、最終的には完全に消滅。独立を回復するのは、第1次世界大戦後1918年。その間、ポーランドの人々は外国人の国家に支配され、政治的に差別されていたこともあり、抑圧された祖国を離れて外国へ移民した人も多かった。
 しかし第2次世界大戦では、ナチスドイツとソ連邦に分割され、国として消滅。その間の大量虐殺も経験。大戦後は、ヤルタ会談でソ連邦の統制下に。食料などは配給制に。
 1989年から現在までは、「第三共和国」と呼ばれる民主共和政体を敷く民主国家、1999年NATO加盟、2004年EU加盟。