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自然環境を好む5百万人口の世界的富裕国
ノルウェーからの留学生が語るノルウェー
~ 緑園国際交流 第108回 トークサロン ~

 
Catharina Hæsken Tronesさん  
 緑園都市コミュニティ協会 (RCA) 国際交流委員会が主催するトークサロンが、9月27日(土)緑園クラブハウスで開かれた。今回のスピーカーは、横浜国大のYokohama creative city-studies(YCCS:英語だけの講義の特別クラス)で勉学中のノルウェーからの留学生、カタリナ ハエスケン トロネス (Catharina Hæsken Trones)さん。このトークサロンは、今回が108回目で、ノルウェーからは初めての登場。

 日本語はある程度分かるが、この講話は英語で進めさせてもらいたいとのことだったが、後半の質疑では、質問は日本語だが、彼女からの回答は勉強のため日本語で、と司会者から求められていた。

 今日のテーマは、What is Norwegian ?。ノルウェーは東西南北に分けられ、それぞれアイデンティティを持っている。自分は南地区のオスロ郊外で育ったが、両親が北部地区だったため、その影響が大きい。人口は5百万人、面積はほぼ日本に同じ。ノルウェー人は、森や山に出かけたり、一日自然の中で過すことを好む。最大で首都の都市オスロも人口50万人だ。ヨーロッパの北端で、スウェーデン、フィンランド、ロシアに接し、海ではアイスランド、デンマークに接する。北極、南極にもいくつかの土地を保有。
 
   Catharina Hæsken Tronesさん

  地図で分かるように、南北に長い山脈が連なっているため、人が住める地域が限られている。フィヨルドは氷河の浸食でできた狭く、長い入り江で、厳しい崖に挟まれており、海水と内陸からの水が混ざっており、地球の7不思議として有名。

 国旗は、数百年前からその考えはあったが、1905年6月9日に正式なものとなった。色はデンマークとスウェーデンのものからとられている。君主制で、それに誇りを持っている。君主制は、ほんの100年前にでき、デンマーク、スウェーデン、英国と関係がある。
 

 1349年にペストの大流行で人口の2/3が死亡し、政府が成り立たなくなり、デンマークとのユニオンが成立した。1536年にデンマークの1地区となったが、ノルウェー人はプライドを持ち続けたが、デンマークルールに抵抗を感じる人は少なかった。1814年、ナポレオン戦争時、スウェーデンはイギリスを支援したことの代償にノルウェーを要求、その結果ノルウェーはスウェーデンに属することとなった。1905年、遂に13世紀以来初めて独立を果たした。今年は、憲法200年記念の年で、独立記念式典より盛大です。

 5月17日は、最も盛大な祝祭日で、子供達は晴れ姿で大きなパレードをし、ノルウェーがいかに美しいかの歌を歌い、食べ放題にアイスクリームを食べる。この日は、高校卒業生の伝統的日となる。
 

 ユネスコ登録世界遺産は7か所。そのうち、西部地域のフィヨルドが有名で、世界で最も長く、深いものが2つある。

 教育制度は、6歳で小学校入学し、7年間。中学校は3年間、高校も3年間。大学も含め、公立はすべて無料。市立は限られている。公用語はノルウェー語で、デンマーク語、スウェーデン語とは似ており、一つの方言だ。お互いに理解しあえる。小学校から英語を学び、中学校では第3国語としてドイツ、フランス、スペイン語のどれかを。したがって、高校卒業時には、ノルウェー語、英語は読み書きが十分に、第3国語でコミュニケーションできるようになっている。自分は、外国語として英語、フランス語に加え、日本語を少し、という状態です。
 
 Catharina Hæsken Tronesさん  

 勤労については日本と違い、個人的で、敬語はありません。勤務時間は8時から16時で、企業は16時には空になっています。2013年調査の月収は日本円で70万円。
 世界的に見ても裕福な国で、漁業、観光、資源、石油が主要収入源。石油収入は基金として蓄えられ、現在日本円で94兆円になっている。税金は、GDPの40~45%で、道路や医療費に充てられる。販売にかかる税は、25%で、食料には15%、公共交通などのサービスには8%。

 衣装には、いろいろと伝統的なものがあり、日本の着物のように季節ごとにある。ウール製で銀色の飾りを付けたBANADというものは手製で、自分のものは、家族と知り合いのTROSMOのもの。
 

 最後は、家族について。17時から9時の間に一緒に食事、旅行や自然散策も一緒、子どもとのスポーツ、両親との趣味なども一緒にというのは、よい家族像。高校卒業後同棲するのは一般的で、別居するか結婚するまで続く。両親も20年間同棲し、2人の子供をもうけたが、結婚はしなかった。これがノルウェーでは普通だ。

 講演後の質疑応答では、ノルウェーが初のサロンであったことと、聴衆者には海外生活や旅行経験者もおり、国際関係に関心が深いこともあり、活発な質問が出ていた。物価は、所得は、税金は、なぜ同棲なのか、将来何をしたいかなど、日本との違いに多くの質問が出ていた。
 
. カタリナさんは、「将来、語学をベースに観光関係の仕事をしたい」、「日本の物価よりノルウェーの方が高い」、「ノルウェーには敬語がないので、日本語は難しい」、「ノルウェーは物価が高く、スウェーデンに近いところに住んでいるので越境して買い物に行く」等と語っていた。