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カラフルな文化・楽しめる旅
先住民族とスペイン文化が融合するメキシコ
〜 緑園国際交流 第98回 トークサロン 〜

Mr.Aaron Vera:  
 Mr.Aaron Vera  
 緑園都市コミュニティ協会(RCA) 国際交流委員会が主催する第98回トークサロンが、11月24日(土)緑園クラブハウスで、日本のメキシコ大使館に勤務するAaron Vera(アーロン・ベラ)さんを招き開催された。

 アーロン・ベラさんはメキシコシティー出身で、現在同大使館の商務部に勤務。かって交換留学で日本語を学んだという、大変堪能な日本語でメキシコの歴史、文化、政治、経済、日々の生活、食文化、さらにメキシコと日本との親密な関わりについて熱心に語ってくれた。
 

 メキシコは古代文明(オルメカ,マヤ,アステカ文明等)発祥の地メキシコは,31ヵ所の世界遺産と6つの無形
文化遺産を有する3千年の歴史持った国国民の9割がカトリックで、スペイン語を公用語とし、地理的には北アメリカに位置し、人口は約1億2千万人(日本とほぼ同じ)。1810年にスペイン支配から独立、その後1848年に米国との戦争で、結果テキサス、カリフォルニア等の北の領土を米国に割譲した(大変安い価格で売り渡したとのこと)。それでも、現在のメキシコシティーと31州からなるメキシコ国土の総面積は日本の約5倍ある。

  国民の平均年齢が26歳というからポテンシャルをしめた国である。一方、メキシコにとって政治面、経済面でもその影響が最も大きいアメリカとの関係に対して、メキシコ国民は好きでもないが、嫌いでも無く、争うことも無く、しかし、アメリカを信頼出来る国として良好な互恵関係を微妙に保ちつつ近年順調な発展を遂げている、とのこと。

 
メキシコには現在日系企業460社近くが進出し、7,300人余りの日本人が在住している。特に日産を始め、マツダ、トヨタといった日本の自動車メーカーの主要な生産拠点があり、日本とは大変深い関わりをもつ、そもそも日本とメキシコの交流は400年前に遡り、メキシコの総監一行の船が比国からの帰国途中に日本の海岸で座礁難破し、地元漁民達に助けられたことから両国の伝統的な友好が始まっているとされ、メキシコの人々の日本人に対するイメージは非常に良い、と語るアーロン・ベラさん。

 メキシコは70年代の石油輸出依存型から近年は自動車産業を始めとした製造業にも力を注ぎ発展をとげてきており、加えて北米自由貿易協定(NAFTA)締結によりインフレ率も4%程度で、為替も安定してきている。

 一方青果物等の主要輸出国でもあり、アボガド、メロン,カボチャ、レモン等の生産が盛んで、特に日本が輸入しているアボガドの90%、カボチャの75%はメキシコ産。また、メキシコの国民に最も愛されている酒テキーラはリュウゼツランを原料として作られ、商品には“アガベ100%”の表示がされているそう。 材料にサトウキビ等が使われているものには表示が無く値段が安く、メキシコ産でないとテキーラとは呼ばないそうである。一方ビールやワインの特産地としても知られ、全世界に輸出されているとのこと。この他に、日本が輸入する牛肉の6%はメキシコから輸入されているそうだ。
 一方、日本からメキシコへの輸出の66%が機械・輸送機材で、20%が工業・化学製品とのこと。

 最後に、料理の話にふれ、2010年11月にメキシコ料理が、3000年の歴史的食文化として残すたにユネスコの世界無形文化遺産に登録されたことや、メキシコ料理に欠かせない3つの重要食材、@トウモロコシ、A豆、B唐辛子についての話。また、メキシコ料理が20代と30代の女性に人気があるとの調査結果や、パンはトウモロコシから作られるが、メキシコでは、「パンは7枚食べないと元気にならない」いう話などを披露してスピーチが終了した。

 その後、参加者から、メキシコは「ハリケーンは大丈夫なのか」、「メキシコにモンゴール系住民がいるのは何故」、「アボガドはメキシコでは、どのように料理して食べてるのか」等々活発な質疑応答があり、そして「ベラさんへの日本語が堪能な秘訣は」の質問にはよく“飲みに行ったこと”、“カラオケに行ったこと”、そして“日本の歴史を勉強したこと“ですと即座に答えが返ってきた。