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~ 緑園国際交流 第116回 トークサロン ~ |
知られざるイラン・ペルシャ探訪の旅 |
ペルシャ観光旅行業 エマニエ・セイエド・アバサリさん |
エマミエさんは19年前に家族と共に来日し、東京にペルシアツーリズムグループ会社を設立し、現在ペルシャ観光旅行業の仕事をされています。3人の子供の父親で、お子様達には日本の文化をはじめ日本の事を出来るだけ多く学んでもらいたいと思い、悩んだすえ、ペルシャ語学校でなく日本語学校で学ばせることを決めたそうです。 エマミエさんは大変豊富な知識をお持ちの方で、まずはイランの起源の歴史的背景について語ってくれました。「イラン」という国名の語源は“アーリア人が住んでいる場所”という意味だそうです。又、「アーリア」という言葉は“白い顔”を意味するそうです。アーリア人は紀元前1500年頃にカスピ海方面から南下、現在のイラン、西はヨーロッパ、南はインドにいたる地域に移動し、イラン系のアーリア人は古代ペルシャ帝国を築いた。3000年以上前のこの地域で起きた歴史の痕跡はペルシャ語、ラテン語、サンスクリット語の中にお互いに近似した言語が存在することにより証明されているそうです。 イランは多くの国と国境を接しているが、現在それらのいくつかの国名に“スタン”がついている(例えば、アフガニスタン、パキスタン、トルクメニスタン等)は当時ペルシャ帝国の支配下にあった国名として残っている。また、過去、現在において中東で起きている国家間の紛争や宗教と政治上の出来事、さらに欧米諸国やロシアとの歴史的関わりについて、まさに“知られざる中東”を大変詳しく説明してくれました。 また、エマミエさんの19年間の仕事経験では、イラン旅行から帰国したお客さんのイランでの最も印象的な事は何かとの問いには“イランの人は皆とても親切”という答えが返ってくるそうです。 イランでは「お客さん」は“神の友達”であると信じられ、お客さんを大事にする、またお客さんが使用する部屋には最高の絨毯が使われるそうです。イランの絨毯は“楽園のイメージ”があり、ペルシャ絨毯は伝統ある京都の祇園祭の山車にも使われているとの事です。 宗教面については、コーランには宗教は自由に選んで下さいとある。宗教は自分自身の心の持ち方で決まるもので、けして法律や権力のように外部から統制されるものでわないと熱く語るエマミエさん。 革命時には自由を言うと敵視された、しかし、現在のイランの若者達はオープンマインドで、信仰心はかなり薄いとの事。99%がモスリムという日本人の多くが抱く最も敬虔なイスラム教徒というイメージから若者達は大きく変わりつつあることを感じた。 一方、女性の社会進出も目立つようになり、大学進学率も男性を凌ぐまでになっているとの事。 最後にエマミエさんの本業のイラン旅行について、イランでは年々世界遺産登録の数が増えており、現在は中国からの旅行者が非常に多いが、日本から(緑園の方々)も是非訪れてみて下さいとのコメントで締めくくった。 参加者は35名で、活発な質疑応答が交わされ、大変内容のある国際交流 トークサロンとなった。 美和輝雄 記 |
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