緑園国際交流 第139回トークサロンが1月26日(土)緑園自治会館で開催されました。 今回は、いつもの緑園クラブハウスが内装工事のため緑園自治会館での開催となりました。スピーカーは横浜国大のエストニアからの留学生 ツヴェトコヴァ・オリガ(Tsvetkova
Olga)さん。彼女は同国大使館推薦の日本語・日本文化研修プログラム生(日研生)。
テーマは“小さくとも誇り高いエストニア(Small
but proud Estonia)”。資料の準備も日本語で、かつ非常に流暢な日本語で説明してくれました。オリガさんのお友達の胡婷儀(中国)さんとカラ・フレッチャー(英国)さんのお二人が参加してくれました。
エストニアは世界最先端のIT国家であることと日本ではバルト三国の一つと一括りにしていますが、エストニアはフィンランド、スエーデン等の北欧諸国の国として認められたいと思っており興味深く感じました。
先ず自己紹介
出身:Maardu(マールドゥ)
大学:タリン大学アジア研究学部
日本語・日本文化学科;母語:ロシア語(後述されますが、エストニアの公用語はエストニア語ですが)
国の紹介
国名:エストニア共和国
大統領:ケルスティ・カリュライド(Kersti
Kaljulaid)
政体:共和制
面積:45,226km2(日本の1/9、九州と略同じ)
人口:134万人
通貨:ユーロ
国歌:Mu
isamaa, mu õnn ja rõõm(我が故国、我が誇りと喜び)(ビデオで国歌を聞く。彼女はこの間起立していた)
公用語:エストニア語(ロシア語とは異なる;エストニア語はラテン文字、ロシア語はキリル文字)
地理:北ヨーロッパの国、EU加盟国、国境の国(北にフィンランド、東にロシア、南にラトビア、西にスエーデン)
バルト三国の1国、2つの大きな島(サーレマー島&ヒーウマー島)小さな島が2,000程あり、国全体が平坦で
一番高い山は“大きい卵山”(Suur
Munamagi)と呼ばれ標高318m、60%が森。
文化的にフィンランドとの関係が強い
民族:エストニア人68.7%、ロシア人24.8%、その他(ウクライナ人、フィンランド人、ラトビア人等)6.5%
エストニアはバルトの国としてではなく、北欧諸国(フィンランド、スエーデン、ノルウェー等のNordic
Countries)
として認められたいとの国民感情
民族衣装:歴史的に農民服(仕事用)、材料は綿やリンネン、現在は祭りの服装、スカートなどは植物で染める
歌祭りと踊祭り:エストニア人は“歌っている民族”と言われる。5年に一度、全国の歌祭りと踊り祭りが開催され、
次回は今年2019年7月。独立を勝ち得た時も歌って不満を表わし、犠牲者無しに独立を獲得。
“Tartu(エストニア第2の都市、文化・大学の街)の踊り祭り“のビデオを見せてくれた。また、歌に関連し
EuroVison(欧州放送連合加盟放送局により毎年開催される恒例の音楽コンテスト)ビデオも流してくれました。
料理:ソーセージ料理(Verivorstid)、ケーキ(Vastlakukkel)、コッテージ・チーズ(Kodujuust)、ニシン(Suitsuraimed)、
黒パン(麦の種類多い)、他の国に比べ海産物を多くとるそうだ。
国民性:感情を表わさない
成果や発明とその環境:SkypeとTransferWiseはエストニア人の発明
強いIT分野「Skype,
TransferWise(インターネット送金)、e-Residence(国民ID制度をサイバー空間に広げる取り組み)、 質の高い教育、綺麗な環境(最も空気が綺麗な国の一つ)、60%が森で森の中にいてもインターネット使用可能
自営業を始め易い国、言論やインターネットの自由。
見所
タリン(Tallinn) 首都
・タリンの旧市街(世界遺産、中世の街)
・ロッカ・アル・マーレ野外博物館
(エストニア野外博物館)(農民の生活が保存されている)
(纏め担当の註:ソ連時代の農業集団政策で伝統的農村は破壊された)
・タリン動物園
タルトゥ(Tartu) 精神的首都、大学と文化の街
パルヌ(Parnu)夏の首都、海と太陽の街
国立大学:3大学あり、タルトゥ大学(歴史があり、優秀な学生が集まると認められた大学、特に医学部が有名)、
タリン理工大学、タリン大学
この後、2本のビデオを流した。1本目は“Geography Now! Estonia”、2本目は”池上彰のニュース解説番組エストニア“。面白いと思われる点を下記に列挙。
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国章 |
(1本目)
・ソビエト連邦崩壊後、国境に関する話し合いが数年続き、2014年その取り決め(国境条約)が締結された。
・ラトビアとの国境の街Valgaでは国境線が町中を走っている。
・冬場、本土とヒーウマー島の間に氷が張り、26kmの氷の道が出来る(車走る)
・夜間、自転車に乗る際、蛍光塗料服を着ていないと400ユーロの罰金
・サウナ、森の中でもインターネット繋がる
・大きな石や岩は昔、自然崇拝の対象であった。国により自然保護物として保護されている。
自然の見所の一つ。
・湖、瀧、川多い
・国鳥はツバメ。
・隕石の落下で湖。これも自然の見所。
・シェールオイルは中国に次ぎ世界第2位
・交通は右側通行。
・アルコールが安いのでフィンランド人が買いに来る
・問題は少子化(過去20年間で人口19%減)
・エストニア人とフィンランド人は自分の国の公用語を話しても互いに通じる。
・Kiiking(キーキング)360度回転する事も可能なブランコ
・Hotmail、KaZaA(ファイル共有ソフト)、Skypeはエストニア人の発明
・女性1>男性0.84の割合で女性が多い。・有名なファッションモデルを輩出
・宗教への関心が薄く結婚感に縛られない。Single
parentが多い。
・妻(或いはパートナー)担ぎ競争
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お友達の胡婷儀さんとカラ・フレッチャーさん |
(2本目)
・世界最先端の電子国家(役所、警察、税務署、銀行、病院などネットで一元化されており、家で手続き可能、
e-Residence(キャッシュレス社会)→個人用の税理士・会計士の仕事がなく、いない。
・役所に人影見えず。不動産売買、婚姻届、離婚届けだけに役所利用。
・Tallinnはデンマーク人の城の意味(昔デンマークに占領されていた時代あり)
・若く小さい国ながら先端電子国家となった理由:ソビエト連邦時代の電子特区(分業体制であった)
質疑応答
兵役?(義務)、国旗の色?(青は空、黒は大地、白は雪と純粋)、産業?(IT,サービス、農業)
国の問題?(若者の海外流出、年金低く給料が高くない)等
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