コロナ禍で永らく中断していたトークサロン、2年8か月ぶりに、第150回目のト―クサロンが6月24日(土)に開催されました。テーマ
はチェコの歴史、文化、生活。スピーカーは横浜国大(YNU)チェコ留学生Stanislav Zazirejさん。9才迄ウクライナで過ごしていた関係でチェコとウクライナの二重国籍を保有。博士課程後期の学生で都市イノベーション/コンクリート研究を専門としている。
通訳は同じくYNU卒のYuliya Bortnevskaiaさん。彼女は日本の企業で働いており、彼女の完璧な通訳に参加者一同驚いていた。
先ず、ウクライナの基本情報。人口構成:ウクライナ人77.8%、ロシア人17.3%、言語:ウクライナ語67.53%、ロシア語29.59%。今回の戦乱でウクライナからの避難民:ポーランド150万人、ドイツ100万人、チェコ50万人等。彼の誕生の地TOREZは東部の町ドネツクの東に位置、炭鉱の町との説明。
チェコの基本情報
スピーカーから“「チェコ」ときくと、最初に思い浮かぶのは何ですか”との質問があった。
国歌を流し、国はボヘミア、モラヴィア、シレジア地方に分かれているのを図示。人口、宗教、スポーツ、経済に触れた(大手メーカーとしてSKODA、TATRA)。
歴史:1918年チェコスロヴァキア誕生、1989年ビロード革命、1992年チェコとスロヴァキアに友好裡に分離現在に至る、1999年NATO に加盟、2004年にEUに加盟。
観光:プラハはヨーロッパで5番目に訪問者の多い都市、お馴染みの写真に加え、ダンシング・ビル、TV塔等。プラハ以外の地域では チェスキー・クルムロフ、カルロヴィ・ヴァリ等紹介。ユネスコ世界遺産16。
文化:習慣と休日:イースターとクリスマス。イースターは、イエス・キリストが三日目に復活したことを記念する、キリスト教においては最 も重要とされる祭。イースター・マンデーには、ポムラースカ(鞭)で、男性が子供も大人も歌を歌いながら、象徴的に女性を鞭打つ。民 俗伝承では、鞭打たれた女性は、その年一年中美しさと瑞々しさを保つとされている。
クリスマスが近づいてくると、チェコの家庭ではクリスマスのお菓子作りが始まる。チェコでもクリスマスツリーを飾る習慣はある。
食べ物:グーラシュ、カフナ(鴨肉をロースト)、コラチェ(パン菓子)、スヴィチュコヴー(ゆでパンとクリームソースが添えられた料理)等
飲物:チェコはビール、ウオッカ、ワインの生産・消費の交差する中心地に位置する。チェコは個人ビール消費量で世界第1位。生ビー ルは泡の多さにより呼称が変わる(フラディンカ、シュニット、ムリーコ、チョフタン)ムリーコはミルクの意味で泡をメインとする珍しい注 ぎ方。流石、個人ビール消費国第一位の国、ビールの注ぎ方も豊富。
伝統音楽:代表的な楽器と民族衣装で着飾った演奏者の写真。“チェコモール / プロムニー~変容~ ”は国民的フォークバンドの
アルバムで、チェコ・バグパイプ、アコーデオン、マンドリンと味のあるボーカル、壮大なオーケストラ・サウンドがマッチ。
有名人:カレル4世(神聖ローマ帝国皇帝)、ヤン・ソーデック(写真家)ミロス・フォアマン(映画監督)、フランツ・カフカ(小説家)。又、ヤン・レッツェルは日本で活動した建築家で広島の原爆ドームの設計者。Krtecek(クルテック)はアニメ作家により作られたアニメ・キャラクター(もぐら)でこのアニメは多くの国で絶大な人気を博した。
発明:コンタクトレンズ、セムテック(高性能プラスチック爆弾)、ロボットと言う名称、角砂糖、船のプロペラ
チェコと日本の比較:ゴミ箱と夜間の交通機関を挙げていた。交通機関について、チェコでは日本と違い、夜間~早朝(零時から4時半まで)バスや電車が動いている。
質疑応答:
・写真が趣味と伺ったが、日本で撮った写真は参考になっているかとの質問
日本は地震、台風、津波など特殊な環境下にある。建物や橋など多くの写真を撮っており参考になっている。チェコ工科大学(CTU)の同僚ともシェアーしている。
・留学先としてYNUを選んだのは:CTUの教授の助言による。彼はYNUでPhDを取得。 現在YNUで細田暁教授に学んでいる。
・日本のスローライフの部分:(勿論東京は忙しくしているが、全体として少しスロー?)安全、丁寧、親切が好きだ。
・卒業後日本で働きたい。
・チェコの付加価値税は。21%、15%、10%と商品により異なる。
・趣味、好きな食べ物
・何か国語が話せるか(チェコ語、ロシア語、英語が話せる。 ウクライナ語やスロヴァキア語は理解可能、日本語勉強中。コミュニケ ーションを取り易くする為に 日本語をもっと早くから勉強しておけばよかったと思っている)。
第150回トークサロンは盛大な拍手で終幕した。例年だと記念写真を撮るが現況を考慮し、記念写真撮影は取り止めた。 文責:国際交流委員 根岸
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