国旗 第164回 緑園 国際交流トークサロン   
コートジボワールの探求と私の日本での経験 
 横浜国大留学生 フォファナ・ヤコウバ さんが「語る。
  国章 
   
   
   
   
 第164回 緑園国際交流トークサロン「コートジボワールの探求と私の日本での経験」が10月25日(土)緑園クラブハウスで開かれました。
 今回は、西アフリカに位置するコートジボワール共和国出身で横浜国立大学大学院に留学中のフォファナ・ヤコウバ氏をスピーカーにお迎えしました。母国で統計担当官や教師として活躍された経験を持つヤコウバさんから、コートジボワールの多様な魅力と日本での留学生活で感じたことについて、貴重なお話を伺いました。

多様な文化が共存する国、コートジボワール
 トークサロンは、ヤコウバさんの母国コートジボワールの紹介から始まりました。国名はフランス語で「
象牙の海岸」を意味し、かって象牙の取引が盛んであった歴史に由来します。西アフリカに位置し、国土面積は日本より少し小さい約32万平方㎞。人口約3,000万人。そのうち75%以上が35災未満という、非常に若さに満ちた国です。
   

 コートジボワールの大きな特徴の一つが、その文化の多様性です。国内には60以上の民族グループが存在し、それぞれが独自の言語た伝統を持っています。公用語はフランス語ですが、共通語としてデュラ語も広く話されています。宗教も多様で、北部を中心にイスラム教(約42.5%)、南部を中心にキリスト教(約39.8%)
が信仰されているほか、各民族固有の伝統的な信仰も深く根付いています。

 
 
ヤコウバさんは、そうした多様な文化を象徴するものとした、色鮮やかな写真とともに、各地の仮面や伝統舞踊を紹介してくれました。例えば中央部のバウレ族に伝わる「ゴリ」は、共同体を祖先と結びつける儀式で踊られ、北部のセヌフォ族の「ポエロ(豹の踊り)」は収穫祭などで披露されるアクロバティックな踊りです。

   
   都市や村は伝統的でありながら、現代的

 また、中西部のグロ族の「ザウリ」は精巧な仮面と速いリズムが特徴的で、そのエネルギッシュなパフォーマンスは見る者を圧倒します。これらの踊りは、単なるエンターテイメントではなく、人々の精神的な支えや共同体の結束に欠かせないものとなっています。

 食文化も豊かで、主食はキャッサバ(芋の一種)から作る「アチュケ」やバナナを潰し作る「フトゥバナナ」など。特にアチュケは、焼き魚や揚げたプランテン(料理用バナナ)「アロコ」と一緒に食べるのが定番で、國人に広く親しまれています。

世界を支える経済と国民的スポーツ 
 経済面では、コートジボアールは西アフリカ経済をけん引する重要な国です。特に農業が盛んで、チョコレートの原料であるカカオ豆とカシューナッツの生産量では、世界第一位を誇ります。私たちの身近にあるチョコレートやナッツ菓子も、コートジボワールの豊かな恵みによって支えられているかもしてません。ヤコウバさんは、力強い経済成長の一方で、若者の失業率の高さや原材料の輸出への依存といった課題も抱えていると説明しました。

   
   カシューナッツ世界1の生産国 

 そして国技と言えば何といってもサッカーです。区民のサッカーへの情熱は非常に高く、アフリカのナショナルチームが競う「アフリカネイションズカップ」では3度の優勝を誇ります。2024年に自国で開催された同大会でも見事優勝を果たし、国中が歓喜に沸きました。

留学生の視点から見た日本
 
トークサロンの後半では、ヤコウバさんの日本での経験について語られました。来日する前は、アニメや日本車、そして歴史の授業で学んだ第二次世界大戦などを通じて日本にイメージを抱いていたそうです。実際に日本で生活を始めて、特に感銘を受けたのは、人々の規律正しさや責任感、街の清潔さ、そして世界トップクラスの安全性でした。機関に正確な公共交通機関やサービスの効率性にも驚いたと語ります。
 
 一方で、留学生として困難に感じることもありました、最も大きな壁は、やはり「言葉」で、コミュニケーションに苦労することも少なくないそうです。また、文化的違いから、社会的習慣に馴染むのに時間が必要だったり
時には外国人であることで周囲の視線を感じたりすることもあったと、率直な気持ちを話してくれました。こうしたヤコウバさんの体験談は、私たちが国際社会の一員として、どうあるべきかを考えるうえで、多くの示唆を与えるものでした。

質疑応答(スピーチの後)
①教育システム:幼稚園3年、小学校6年、中学校4年、高校3年。大学3年、修士2年、博士課程3年
 (あるいは高卒後専門学校2年)などあるが、大学は10校(欧米に行く場合が多い)
②所得税はあるが、消費税導入は難しい。マラリアに罹る人も多く、保険制度も最近できたが、全医療制度
 ではない。
③一次産業でカカオやカシューナッツが輸出されているが、もっと二次加工して収益を上げては、との意見に
 工場建設の資金や技術がないので、今後の検討課題
④日本との関係では、安倍首相が数回訪問などで、よく知られている。
などがありましたが、今回のトークサロンは、遠い国コートジボワールの躍動する文化や社会、そして一人の留学生の目に映る日本の姿を知る、大変有意義な時間となりました。

 
イスラム教モスク 

Moderne Mosque of Yamoussoukro

キリスト教教会 
全高172M
高さ世界一の教会
アフリカネイションズカップで3回優勝
2026年
world-capに出場

伝統舞踊 ボロエ「豹の踊り

敏捷性と文化遺産を披露
   
伝統舞踊テマテ
ダイナミックで協調のとれた動き 

カシューナッツ

小規模農家の主要な収入源

主な主食

焼き魚や揚バナナなど

 
カカオ